八ヶ岳オーガニック
有機栽培農場 野菜の里のホームページです。
八ヶ岳の自然や畑の情報発信、有機野菜の宅配のご案内をしています。

野菜の里の栽培方法について

その1:圃場を選びます。


 わたしたちの使用する畑は、5年以上農薬も化学肥料も使用していないことが前提条件です。ほとんどの畑は農薬などの飛散の心配がないように道路や土手、水路などで隔てられており、隣接している場合は農薬散布を極力避けるように協力していただいています。
 また肥培管理による地力の向上のほか、深耕や心土・硬盤破砕などによる土壌物性の改善を行うことで、土壌の健全性を高めています。


その2:肥料を考えます。


 化学的に合成された肥料はいっさい使いません。しかし、野菜には成長のための養分が必要です。そのために厳選した有機質肥料を使います。
 わたしたちが使用しているのは「非遺伝子組み換えのとうもろこし・国産大豆のおから・米ぬかで育てている平飼い養鶏の鶏糞」です。それらを作物の種類や栽培時期に応じて施します。
 しかし、有機質肥料といえども与え過ぎは作物に良くないばかりか、地下水や河川に負荷をかけることになります。そこで、土壌分析で土の状態を確認しながら最適な量を施しています。
 その一方でわたしたちは現在、麦やマメ科植物などの緑肥作物を利用することで、動物由来の有機質肥料の大幅な削減を進めています。これは、フードマイレージならぬ窒素マイレージを減らすこと、つまり肥料分の地産地消の実現に近づくもので、次世代の有機農業のあるべきかたちを示しています。 


その3:生き物たちを見つめます。


 化学農薬も自然農薬もいっさい使いません。畑にはさまざまな生き物がやってきます。野菜を食べる虫が増えてくると、その後をその虫を食べる虫や小動物や鳥たちが追いかけてきます。アブラムシにはテントウムシやヒラタアブが、あおむしには寄生蜂やクチブトカメムシが、コナガには小さなカエルたちが。野菜が元気に育つためにわたしたちにできること、それは、これら無数の小さな生き物たちとその営みをそっと見守ることです。
 病気の発生で致命的なダメージをを受けることはここ八ケ岳南麓ではほとんどありませんが、ときには長雨などの天候不順で壊滅的な被害を受けることもあります。そんなときは、あきらめます。あきらめることも、農業の永続性のための選択肢の一つと考えるからです。


その4:植物の力を引き出します。


 同じ種類の作物を同じ畑で連作すると、偏った養分ばかりが使われて地力のバランスが崩れたり、特定の作物につく虫や病原菌の密度が高くなって野菜の健康が損なわれる原因になります。そこで、アブラナ科・キク科・ナス科・マメ科などさまざまな野菜を組み合わせた作付けで輪作体系をとり、さらに牧草・小麦などのイネ科植物を輪作の中に取り入れることで、連作障害を回避し、有用微生物を増やし病虫害の軽減を図っています。
 さらに、違う種類の作物を隣合わせて栽培する間作や混作により、植物が本来持っている様々な力を引き出す工夫をしています。


わたしたちのプロフィールです。


創立  1986年2月17日
目的  有機農産物の生産と販売
生産地 山梨県八ケ岳南麓
歩み  25アールの畑と20軒の消費者との産直からスタート。90年より宅配部門を開設、また翌91年からは県内の生協との産直を開始しました。さらに、95年から八ケ岳山麓のリゾート施設での直売や東京・神奈川のレストランとの取り引きを始め96年には県内量販店との産直を開始しました。
 現在は約5ヘクタールの圃場に50種類以上の野菜を作付し、個人顧客100世帯、スーパー30店舗等への 有機農産物を販売する家族経営の農場です。
 2001年3月に有機JASの認証を取得。改正JAS法に基づく有機JAS認証を2006年に取得し、以後毎年認定機関により監査を受け、認定を継続しています。

野菜の里がめざすもの。

 私たちは、設立当初より有機農法を実践してきました。それは、虫が死ぬ薬をかけた野菜を食べることの気持ち悪さとか環境を破壊する側になるべく立たないで暮らしていく方法の実践といった都会育ちの若者の夢の体現に始まりました。
 生業としての農業と言う言葉を頭の隅に置き、たくさんの失敗とささやかな成功を得、消費者との広がる一方の距離感に戸惑いを覚えながらもこれからの農業は、生産も販売も有機農業でしかありえないという妙な確信だけはありました。
 日本の有機農業の有り様よりは、むしろ欧米のオーガニックの考え方に心惹かれるなかで、農業が環境の面でもまた、経営の面でも、いつまでも続けていけることがいちばん大切なことだと考えるようになりました。そのためにわたしたちがすべきことは、生産から販売に至るあらゆるプロセスにおいて環境にかける負荷を極力減らすことであり、この考えによって生産された農産物がより多くのひとに食べてもらえるような環境作りに力を尽くすことであると考えます。オーガニックはそのための一つの手段に過ぎません。わたしたちがめざすものは、サスティナビリティ=永続性を保証する、生業としての農業なのです。